ディズニーの風船から見える半導体市場
ディズニーシーで買った風船がまさかの2,500円。値上がりの理由を調べていくと、ヘリウムの輸入事情や半導体産業の需要増加にたどり着きました。
はじめに
この前2歳の息子の初めてのディズニーシーに行ってきました。そこで風船を購入しました。1,000円くらい高くて1,500円と思っていたら2,500円という驚く価格でした。※2026年8月現在
なぜ2,500円するのかその背景を調べてみたら半導体市場にたどり着いたので整理したいと思います。
風船の主成分
風船の主成分はヘリウムです。ざっくり比較で、空気の平均分子量は約28.8であるのに対し、ヘリウムは4しかなく、密度が約7分の1しかありません。そのため風船が押しのけた空気の重さ(浮力)が風船全体(ゴムなど)の重さを上回り、浮き上がります。
日本においては、このヘリウムが100%輸入となっています。アメリカやカタールからの輸入が9割を占めています。理由は、ヘリウムは大気中にごくわずか(約5ppm)しか存在しないため、空気から分離することは経済的に見合いわないため輸入に頼っています。ヘリウムは地下の天然ガス田に含まれる約0.5%程度の成分を分離・精製して製造されています。この影響からアメリカや中東といった特定の地域に生産国が限定されます。
使い道
以下の用途が主要なものとして挙げられます。
- MRI(医療用画像診断装置) — 超伝導磁石を冷却するための液体ヘリウムが不可欠です。
- 半導体製造 — ヘリウムガスはウェハーの冷却・パージガスとして使用されます。半導体産業の拡大とともに需要が増加しています。
特にウェハーの冷却では現状ヘリウムガスの代替物がないため需要がさらに増加することが予想されます。
国内におけるヘリウムガスの用途として風船•飛行船の用途は1%のみと非常に限定的でした。
用途割合の根拠は一般社団法人日本産業・医療ガス協会の資料からの引用です。https://www.jimga.or.jp/files/page/statistics/regularly/TRU_he_2021-25.pdf
風船2,500円の背景
日本経済新聞の記事で日本酸素のヘリウム製品値上げの記事がございました。こちらを踏まえると2025年からの中東影響からカタールからの供給停滞から米国といった中東影響外からの輸入を増やしていることによる値上げでした。ディズニーシーで購入した風船もその影響からかmade in USAでした。価格については、中東影響が直接的な背景だと思います。また、日本酸素HDの増収増益理由に半導体需要の増加が挙げられていますことから、代替が困難であるヘリウムの需要増加もとい代替困難性の影響もあるとも考えられます。
風船に2,500円の価値はあるのか
結論は人それぞれだとも思いますが、その前提を踏まえて私は買って良かったと思いました。風船と侮るなかれ、作りがとてもしっかりしています。帰宅から数日後でも未だに浮き続けて思い出を蘇らせてくれます。(2,500円と聞いて驚いた思い出などなど)
さいごに
私の子どもの頃、ディズニーランドで風船は買ってもらえず入り口のお店が並ぶ場所(ワールドバザール)の天井にくっついている風船を見ながら「あれ貰えないかな」と考えていたことを思い出しました。(今の風船はミッキーの形をしたおもりがついているので飛んでくことは、残念ですがほとんどないと思います。)そんな子どもが息子を連れてディズニーに行く年になったのか、としみじみしてしまいました。